足音・鳴き声・活動時間から種類を特定する
天井裏で聞こえる音の種類や時間帯は、侵入している動物を特定する重要な手がかりとなります。動物ごとに足音の大きさや鳴き声の有無、活動時間帯が異なるため、これらの違いを比較することで、何が棲みついているのかを絞り込むことが可能です。
動物の種類
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足音の特徴
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鳴き声
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主な活動時間帯
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推定体長
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主な侵入経路
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ネズミ
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カサカサ、小刻みな音
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ほぼ無音、たまにキーキー
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夜間(22時〜4時)
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約10〜20cm
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床下、壁の隙間、配管周辺
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ハクビシン
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ドタドタと重い音
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フンッ、クゥーなど低音
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夜間(19時〜3時)
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約60〜80cm
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換気口、屋根瓦の隙間
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イタチ
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軽快な走る音、物を落とす音も
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キュッ、チチッと鳴く
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夜間〜明け方(0時〜6時)
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約30〜40cm
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通気口、エアコンダクト周辺
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アライグマ
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ガタガタ、ゴトゴト音
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キーッ、クゥーなど攻撃的
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夜間(21時〜5時)
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約60〜90cm
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破損部、天井裏の大穴
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コウモリ
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パタパタと羽音、鳴き声なし
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無音(超音波)
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夕方〜深夜(18時〜1時)
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約15〜25cm(羽を広げると30cm以上)
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換気口、通気口、壁の隙間
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動物が発する音の特徴に加え、体の大きさや侵入経路も特定の手がかりになります。「ドタドタ」といった重量感のある足音が聞こえる場合には、ハクビシンやアライグマのような中型の哺乳類であることが多く、小さな足音ならネズミの可能性が高まります。
イタチやアライグマは天井裏で物をひっかいたり落としたりする行動が見られ、他の動物と比べて騒音が激しくなる傾向があります。夜間に突然響く大きな物音があった場合、単なるネズミではない可能性も考えるべきです。
鳴き声に関しても注意が必要です。動物が驚いた時や巣の中で仲間に呼びかける際に発する音があるため、耳を澄まして注意深く聞き分けることが重要です。ただし、コウモリのように超音波を使って行動する動物も存在するため、音がしないからといって安全というわけではありません。
春夏秋冬で変わる動物の繁殖・侵入傾向
動物の侵入は季節によってもパターンが異なります。繁殖期には巣作りのために天井裏に侵入することが多く、気温や天候の影響で行動パターンも変化します。
季節
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主な動物
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主な理由
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繁殖の有無
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特徴的な行動
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春(3〜5月)
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ハクビシン、ネズミ、イタチ
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繁殖準備・巣作り
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有
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雌が子育てのために静かな場所を探す
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夏(6〜8月)
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コウモリ、ネズミ
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涼を求めた移動
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一部あり
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暑さを避け、通気性の良い屋根裏に集まる
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秋(9〜11月)
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アライグマ、イタチ
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冬ごもりの準備
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無
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食料の確保・断熱材を利用した巣作り
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冬(12〜2月)
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ネズミ、ハクビシン
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暖を取るための侵入
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無
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暖房の影響で屋根裏が快適な空間に
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春から初夏にかけては、ハクビシンやイタチなどの哺乳類が出産のために静かで安全な空間を求めて屋根裏に侵入します。この時期は巣作りのために断熱材や壁材が破壊されることがあり、建物への被害が顕著になる傾向があります。
夏場になると、コウモリやネズミが涼しさを求めて天井裏に集まり始めます。夜になると天井から「パタパタ」「カサカサ」といった音が頻発し、昼夜を問わず活動することもあります。
秋は冬に備えての準備期間として、食料を持ち込む行動が活発化します。ネズミやアライグマが配線や木材をかじって通路を広げ、冬場に向けて快適な空間を確保しようとします。
冬になると、ネズミの活動が目立ちます。暖房設備の使用により屋根裏が外より暖かくなり、避難先として侵入する例が多くなります。寒さを避けるための行動ですが、長期間住み着くと糞尿や断熱材破壊による被害が深刻化します。