床下から聞こえる音や鳴き声でわかる害獣の存在
床下から聞こえる音や鳴き声は、害獣が住み着いたサインとして非常に重要な兆候です。特に多くの住宅で報告されるのが、夜間や明け方に「カリカリ」「ガリガリ」といった小さな音が床下から聞こえる現象です。これは、ネズミやハクビシン、イタチなどが断熱材をかじったり、壁内部を移動している音であることが多く、放置すると断熱材の劣化や電気配線の損傷による火災の危険性もあります。
また、鳴き声も注意が必要です。ネズミは高周波の鳴き声を発し、特に子ネズミがいる場合は「チューチュー」と高音で鳴くことがあります。ハクビシンは「グルルル」というようなうなり声、イタチは甲高い「キキキ」という鳴き声を発することがあり、いずれも夜中に聞こえることで住人の睡眠を妨げるケースも少なくありません。
特に以下のような音が確認された場合は、床下への害獣侵入が強く疑われます。
このような音は、家の立地や構造に関係なく突然発生することがありますが、共通しているのは「夜間に音がする」「日中は静か」という点です。これは害獣が夜行性であることが多いためで、活動が活発になる夜に床下や壁内で音が確認される傾向にあります。
また、床下通気口や換気口の隙間から侵入するケースも多く、金網などの設置が甘い場合には容易に入り込まれます。定期的な点検や通気口の封鎖は侵入経路を断つ有効な対策となります。
音の種類によって害獣の種類がある程度推測できますが、実際にどの動物が侵入しているかは専門の調査を依頼しなければ正確には判断できません。特に複数の害獣が同時に住み着くこともあり、天井裏からも音が聞こえる場合は、屋根裏にも侵入している可能性があります。
床下害獣が引き起こす音の問題は、単なる騒音にとどまらず、精神的ストレスや建物の損傷、さらにはアレルギーや感染症のリスクに直結することもあります。特に小さなお子様やペットのいる家庭では早急な対応が求められます。
異臭・糞尿などに見られる被害の兆候
床下に害獣が侵入すると、音だけでなく「異臭」や「糞尿」といった目に見える、あるいは鼻で感じる被害も発生します。特に多く報告されるのが、床下から漂ってくるアンモニア臭や腐敗臭です。これはネズミやイタチ、ハクビシンなどが床下に排泄を繰り返し、時間と共に臭気が蓄積されることにより発生します。
臭いが発生する原因は以下の通りです。
糞尿は放置することで断熱材や木材に染み込み、建物の構造部分を腐食させたり、シロアリやダニを誘引する原因にもなります。床下断熱材にまで浸透した場合は、除去や張り替えが必要となることも多く、費用が大きく膨らむケースも少なくありません。
特にハクビシンやイタチなどの中型哺乳類は、同じ場所に繰り返し排泄する「ため糞(ためふん)」の習性があり、一箇所に集中して排泄物が堆積するため臭いが非常に強く、床材や柱などを腐敗させることもあります。
また、糞尿にはノミやダニ、さらにはレプトスピラ症やE型肝炎ウイルスなどの病原体が含まれている可能性もあり、ペットや小さな子どもにとっては大きな健康リスクになります。床下の湿度と温度は病原菌や害虫の温床となるため、消毒作業も含めた清掃・除去が不可欠です。
床下の異臭や糞尿被害は、見えない場所で発生するため、気付きにくく放置されやすい特徴があります。しかしながら、以下のようなサインが確認された場合は、早急に対応が必要です。
- 床に近い位置で異臭がする
- 室内に小バエやダニが発生しやすくなった
- 床下点検口からのぞくと糞のようなものが見える
- ペットが特定の場所に異常に反応する
これらのサインに早期に気づけるかどうかが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。異臭は人間の感覚によって大きく差が出るため、少しでも違和感を覚えたら専門業者による現地調査を依頼しましょう。